gimp-1.1.7


遂に来ました. 久々にでかいコンパイルです. そして, これはなかなか強まったプログラムです. 断固, 何があってもインストールしないと, グラフィック分野では深刻な遅れを とる!

これは脅しではない. とかいって脅してみたりして. とりあえず 酷くなったスタートアップ画面 でも見て笑ってくれ. そうそう. こりゃあんまりだ, と思う人は, とり換えることもできる. 画像ファイル PREFIX/share/gimp/gimp_1_1_splash.ppm を換えれば良い. (PREFIX のデフォルトは /usr/local)

じゃあマジメに行こう. まずは, メインウィンドウ から. 下の方に 1.0系から比べると 3個. 1.1.5 から比べても 2個ツールが増えている. 増えたのは, 覆い焼きと指ツールである. photoshop 使いなら, 指ツールはおな じみであろう. クレヨンとか乾いてない油彩を指で ぐにー とやる感じのアレだ. 何の役に立つのか知らんが, gimp になくて photoshop にある, というのが我慢 ならんのかもしれぬ.

これは イメージ表示窓 だ. 左下に今まで無かったボタンが追加されている. 機能は不明. 赤い方を押す と, 画面が赤くなる. なんだこりゃ?どっかに説明ないかのう.

こっち はレイヤ窓だ. 表示しているファイル名の左に小さいイメージがある. ファイル名から, 編集中の画像をただちに想像できる場合ばかりではないので, これは使い勝手に大いに貢献すると思われる. また, その右には auto とかいうボタンがある. これを on にしとけば, 自動的に現在作業中の画像のレイヤを窓に出すようになる. 非常に良いですね. 今までは, 複数のファイルを編集する場合は, レイヤ窓を出すキーボードショートカットを作成し, それを使って編集するファイルのレイヤの表示に切替えていたが, そういう苦労ともこれでサラバである. パスとかは, 1.1系では既におなじみですが, コレが無い 1.0 系は, 今ではちと 使うに耐えんのう.

あと, これ も見てくれ. gnome とかではおなじみだが, メニューを窓にして置いとけるよ うになっている. 頻繁に使うが, ショートカットを作成するほどのもんでもない 項目は, こうして置いとくと非常に便利だ. 例えば, 各種フィルタとか.

色選択ツールも, かなり強まった. 1.1 になってすぐに painter 的三角形が増えていたが, 今回 このような 水彩的色選択ツールが追加されている. パレットを筆でグリグリやると色がまざっていくというやり方で, 欲しい色を作るらしい. 右側にはヒストリがあり, 作った色を登録しておける. ちなみに, 一番右の `GTK' というのはちょっと面白くて, GNOME のパネルとか と d+d でき, 色の設定に使えるのだ.

いつから実装されたのかは知らんが, session management みたいなのがあって, 前回終了したときに出してた窓とその配置を憶えておき, 次回に起動したときに それを復元することができる. ブラシとかレイヤ窓とかをいちいち毎回出すのはめんどくさいものなので, これは非常に有用な機能なのですが, 若干, 死ぬ系のバグがありました. それもこのバージョンでは治ってます. ばっちりです.

このように, 非常に便利になって最強に強まって, しかもちゃんと動作して死なない gimp-1.1.7 はかなりお すすめです. アップグレード必須!

必要なプログラムは,

である. しかし, コンパイルはかなり重いので, ちと覚悟されたい. 今回, もう変なエラーメッセージが出るとめんどくさいので nls を切って make しました.

コンパイルで気を付ける事は特に無い. 必要なものがインストールされていれば, configure && make で一発でして, 1.1.5 みたいに Makefile を手で直 したりしなくてもよい.

ところで, よく考えてみると, RHS 6.0 とかを使ってない限り, gtk+-1.2 を 最初から持っている人は居ない. だから, GIMP 1.1 あるいは GNOME のインストールで出て来る最初のハードル は, gtk+-1.2 をどのように導入するか, である. 特に, 最近のディストリビューションでは gtk+-1.0 を使ったシステム設定ツールなん かが付いてて, 最初から gtk+-1.0 が入っている. そこに gtk+-1.2 をインストールしないといけない. そのうち, 各ディストリビューションも gtk+-1.2 に統一されるだろうから, 2つの gtk という問題は徐々に解消するだろうが, これはめんどくさくてはまる可能性がある問題だ. なんせ, gtk+-1.2 と 1.0 は, 如何なる意味においても互換性が無いのだ.

1.0 からアップグレードする人

gimp-1.0.2 を使っている場合, つまり, gtk+-1.0.x を使ってる場合は, gtk のバージョンを 2つ混在させるか, gtk+-1.2.x に統一してしまい, gtk+-1.0.x を捨てるかの選択を迫られます.

gtk のバージョンをどうするか, というのは, 現在, pc-unix 特に Linux にお いて, 存在している2番めに大きな問題でしょう. なんせ gtk 壊したら, 俺の環境じゃあ login もできないもんね. (じゃあ 1番は何かと言うと, libcをどうするか, です. ) 2つの gtk の 混在は不可能ではありません. gtk を使うプログラムをコンパイルしないのならば, 違うバージョンの gtk が何個あろうともあまり問題は無いでしょう. しかし, コンパイルの場合はプログラムによっては, 付いてる configure がアホで, 正しいライブラリをリンクさせる Makefile を生成しない場合があり, 経験上なにかと面倒です. これは, 1.0 と 1.2 で互換性が無いにもかかわらず, ライブラリの名前上は 1.2 が 1.0 の上位互換を意味するものになっていたり, ヘッダファイルの名前がおなじだったりすることから発生する問題です. gtk+-1.0 を必要とするプログラムがコンパイル時に 1.2 をリンクしてしまって動かない, あるいはその逆, というトラブルがたまに発生します. 開発者は, 1.0 の面倒を見るという仕事に興味が持てないのでしょう.

コンパイルしないとしても, 問題が発生する可能性はあります. これは, 既に報告されている問題ですが, gtk+-1.0.x がちゃんと動いている状態で gnome の rpm をインストールすると gtk+-1.0 が 1.2 に上書きさ れてしまい, 今まで動いてた gimp-1.0.2 とかが動かなくなるという問題が発生します. rpm は gtk+-1.0 よりも 1.2 がバージョン上新しいので上書きしてしまうのです. これは, 知らずにやってしまうと, かなり深刻な問題を引き起こします.

gtk を 2つ使い分けるには, gtk+-1.2 を /usr/local とか /usr/gtk-1.2 とか, とにかく gtk+-1.0 が入っているディレクトリと違うところにインストールします. gtk をコンパイルするときに, configure --prefix=/hoge/hogehoge みたいにオプションを指定すれば /hoge/hogehoge 以下にインストールされるで しょう. 以下, --prefix オプションで指定したディレクトリを /hoge とし ましょう.

gtk+-1.2 を使うプログラムは configure の時に --with-gtk=/hoge というオ プションでコンパイルすることになります. /etc/ld.so.conf には, ディレクトリ /hoge/lib を追加して, ldconfig -v してから, gtk を使うプログラム (gimp-1.1.x など)をコンパイルしましょう. ld.so.conf する権利が無い(つまり, root権限が無い)場合は, 環境変数 LD_LIBRARY_PATH に /hoge/lib を追加しましょ う. コンパイル時のヘッダファイルやライブラリの位置は, /hoge/bin/gtk-config が面倒を見てくれます. これで大概は大丈夫ですが, ダメなときも ありますので, そういう場合は多少気合いが必要になります. gcc や make あるいは autoconf の info を見ながら, configure や Makefile を修正するなど, 個別に対策することになるでしょう. それでもソースを直接いじくるのよりは全然マシですが.

gimp-1.1.x からアップグレードする人には, アドバイスすることはあまりあり ません. いまんところ, 判ってる人しか 1.1 はインストールしないでしょうか らね. バイナリも無いし. 強いて挙げれば 自分でコンパイルしたプラグインについては, コンパイルしなおすこと くらいですかね. 昔の libgimpui とかを残しておけば(make install で上書き されることはない), 大抵の場合はそのままでも動くけれど, それも変なので, 新しいのをリンクしてコンパイルして, 古いライブラリは消 した方が良いかもしれない. .gimp-1.1 も, バックアップとかした方が良いかも知れない. わしは 1.1 系は 1.1.4 から使い始めたが .gimp-1.1 はそのままでも特に問題は起こっ ていないが, 運が良いだけかも.

俺が 0.99.10 をコンパイルしてから約2年. ついにここまで成長しましたか. 感慨深いものがありますな(何もしてないくせに). そういや0.99.10 は酷かったなあ. 当時は make が全然解ってなかったので, コンパイルするために configure.in を書き直して autoconf で configure 作り直さないといけなかったもんね. それに気づくまで 3日くらいかかった. しかも画面表示が 1:1 の実寸よりも小さい時に選択ツールを使うと直ちに, それも場合によっては Xごと巻き込んで死んでたもんね. 当然, そのとき作業してた他のプログラムも全滅だ. それでも, 表示が小さいときに間違って選択ツールを使わないように心がけなが ら, けっこう長い間使ってた.

新しい機能を発見したら, また続報を書きますので, 今回はこのへんで.

mc-4.5.37

知らん間にえらいアップグレードされてますがな. だいぶバグも無くなって, えらい具合よろしわ. あいかわらず日本語メニューが酷いんで, ちょっとわしが直したのを ここ に置いときますので, mc-4.5.37/po/ に置いて, コンパイルして下さい. せっかくだから, 翻訳者にフィードバックするかな.