fractal, ssh flaw, scheme (2008/05/24)


fractal

20年ほどまえに一度ブームがありましたね。フラクタル。 最近、ちょっと調べてみたので、 解った範囲でまとめてみます。

フラクタルを特徴づけるのが「フラクタル次元」です。 これは、いわゆる Lebesgue Covering Dimension や、 あるいは極大正規直交系の基底の数のような、 空間全体を特徴づけるような位相不変量とは異なります。 2種類の計量に関して(局所的に)計測される比例定数です。 直線距離と体積とか、直線距離と面積、 もしくは曲線であれば直線距離と長さの比例関係をいいます。

次元というと、なにやら恐ろしげな物凄い特徴量という印象がありますね。 在来の空間では計量の比例関係が位相次元と完全に一致 していたものが、 フラクタル集合では必ずしもそうではなくなるため、 「これは新たな次元だ!」ということになったのでしょうか。 用語の導入に関する詳しい事情を知らないのですが、 定義を調べていて、 やや誤解を招くような命名では?と思いました。

思いましたが、世の中の次元の利用法というと、むしろ 計量の比例関係に乗っかったベキの値として、というのが主流ですよね。 位相不変量がどうしたとか、そんな話なんか、普通は眼中に無いっちゅうねん。

ssh

Debianのsshの件は非常に影響が大きな問題だったので、 各所に反響が大きかったわけですが、 ごたぶんに洩れず私もこれに絡んで、 しかも非常にありがにしでかしてしまいました。

つまりこうですよ。 え?もう見当付いたからみなまで言うなって? じゃあ飛ばして次の記事に行ってくれていい。

自分のRSA鍵が該当する脆弱な鍵だったので、アップグレードして、 新しく作り直した鍵を再配布したわけですが、 再配布が全部終ってないのに、古い鍵を消してしまった。ア ウ ト!

幸い、 別ルートから 当該ホストの鍵を更新することができたのだが、 一時は古い公開鍵を元に crack するしかない、 ということになったわけで、ちょっと調べてみた。 乱数としてプロセスidを使っているので16bitしか鍵空間が無いらしい。 自分がブラさがってるロープの太さが1cmだと思ってたら 実は1ミリだった、みたいな話だな。 つまり最悪の場合は自分で crack できたと思われる。 時間がなくて試せないのが残念でもあり幸いでもあり。

ひさびさにschemeなど

Sketchy LISP

この本はなかなか面白く深い。

特に3章最終節、λ calculus と Y combinator の話題は、 プログラミングのテクニックとしてだけでなく 形式的体系における自己言及 という側面から見ても面白い。 単純に、こういう理論的な操作が存在するというだけでも興味深いが、 それがシステムの表現能力を本質的に拡大する、 しかもエレガントに、 というところが味わい深い。 なお、恥ずかしながら、こうやって本当に動くプログラム開発環境の上で Curry 化と ベータ縮約などを実行して lambda calculus をこしらえて くれるのを見るのは初めてだ。

おそらくこの記事を読まれる皆様にとってもそうだと思うが、 やはり私にとってみれば、本当に機械の上でモノが動くのは、 手や脳内で計算するのとはワケが違う。

再帰に関する定番のジョーク

再帰的画像がもたらす加算無限による幻惑効果を Droste effect というらしい。 語源はオランダのココアの箱の絵である。

澁澤龍彦の「胡桃の中の世界」という本にこの話が出て来る。 そこで引用されているミシェル レリスは上記の Droste ココアで加算無限に開眼し、 澁澤はメリー ミルク というミルク缶に、そのミルク缶を抱いている女の子が 描いてあるのを見て同じ感覚を味わうのである。

(参考)メリーミルクの画像

recursion とは自分にかける curse のことか?


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