こいつは文句無く今年見た最大最高のテクノロジーでした。
特に面白いと思ったのが、関数を関数列の極限として表現する、 なんてそんなの数学上の技巧にすぎないと思っていたものが、 現実世界に対応物がちゃんとある、という事で、これが驚きだ。 具体的に言うと、それは衝撃波である。
衝撃波は圧力の不連続な変化で、通常の音波の重ね合わせとして 大気中に存在し、 それは正弦波の加算なのであって、 すなわちフーリエ変換で通常の音波に分解可能なわけである。
要するに、大気は(というか大気中の圧力波は) 完備なベクトル空間であって、 すなわちヒルベルト空間なのです。
正直いって、これを知っているのとそうでないのでは、 世界の見え方が違う。そういうテクノロジーである。 今ごろ知ったのも間抜けだが、知らずに居るよりはずっと良い。
Shannon の論文です。
比較的初等的な手法を組み合わせて、 情報エントロピーなどの基礎概念を導入して 言語や通信の確率モデルを考察する名著。 これも、知っているのとそうでないのでは世界感が異なる、 というレベルのインパクトがあるり、 ごく小さなエピソードが様々な意味と応用を持っている。
多変数関数を最適化するのに使う、 シンプルで強力なアルゴリズム。