DEC HiNote Ultra 分解記事と gqmpeg


据え置きのドライブは, マジでもうダメ. ハードディスクは, 一回壊れたら自然治癒しません. フォーマットしようが何しようがダメです. この画像のレンダリングを 最後に, どうにも一番外側の 1.5G のパーティション(しかもユーザ領域) が mount できないので, 据え置きのハードドライブは諦めた. そのパーティションにアクセスさえしなければ, 何にも起きないので, 外側のパーティションは諦めて, 新しいドライブを買って来るか.

今更 HiNote Ultra

ところで, 研究室の同僚がバイト先から HiNote Ultra をかっぱらってきたので, 今, 研究室に往年の名機が 2個もある. 往年とはいえ, 俺のは Linux が P5/150 で走ってるので, 最近のデスクトップ 環境をフルに突っ込んでも全然余裕で現役だが, レンダリングやでかいソフトウェ アのコンパイルでは, 速いマシンじゃないとやってられまへんわ. 同僚がかっぱらって来たのは, 486/75 のマシンで, ドライブが 350MB か何か しらんが, それだけしかない.

これじゃあ, 今日び, Linux もバリバリ使うにはやや苦しい. うっかりするとカーネルのコンパイルさえままならぬ. ドライブを交換するしかない, ということになったわけだが, HiNote Ultra の昔のモデルは, ドライブの交換がマジで大変なのだ.

しかし, よくかんがえてみると GNOME なんかで みょいーっと drag drop することが, 「unix をバリバリ使う」ということじゃあないですよね. unix をバリバリ使うというのはX無しのコンソールか, WindowManager が twm とか wmx で, x(k)term が画面に 2枚か 3枚出てて, そのうち一枚は emacs が suspend され てて, バリバリにチューンされた zshell が走ってて, ファイルマネージャの類は一切存在しないということだよな. こういう使い方なら, CPU が 386でも問題ないのではないか. (*)

まあとにかく, 最近のパッケージはでかいので, ドライブを交換しないと 始まらん. そこで, 「HiNote Ultra + 分解」 で検索サイトで引くと, ありました. モロそのまま写真入りで分解してます. 俺のねすけは全然日本語化されてないクソだが, それでも glibc をリンクして いるだけあって, kterm から cut & paste で日本語を入力可能である. kinput2 でも入力可だが, ちょっと事情があって, 普段は起動していない. 私の知合いで HiNote をいまだに使っているのは, もう居ないのですが, ここに来るのは知合いだけじゃあないみたいなので, 写真入り分解記事を ミラーしときました. これ見てじゃんじゃん分解してください.

分解記事の著者は, かなり気合いの入ったスゲエ奴で, 486 の HiNote Ultra に x86版の solaris をネットワークインストールしてみ たり, さらに CDE 突っ込んだりして, かなり無茶やってます. なんせ, HiNote は pc-Unix ユーザに人気あったからなあ(値段を除く). 出荷された HiNote Ultra の実に 75% が, OS を pc unix に入れ換えて使われて いるという(嘘).

そこで, その記事を読んで, 俺も用もないのに分解してみた. 最近, 分解づいているのであり, ディスプレイの調子がおかしいので こないだは液晶ユニットもフィルムコネクタを外して完全にバラしてみたりした. (高電圧という噂なので, 良い子は真似しないでください. ) 完全にバラして, 接点に接点復活剤をぶっかけて, あちこちに溜っている埃をど けて, 組み立てた. しかしディスプレイは, あいかわらずおかしいままだ. なんせ, 調子の悪いときは画面全体がフラッシュして, ちょっと使いものにならん. でも, 液晶ユニット側に問題が無いとすれば, 後は本体がおかしいわけで, 本体の謎にも迫ってみたわけだ.

さんざん CPU なんか分解してるくせに, 自分のメインマシンの本体を分解するのははずかしながら, 今回が初めてだ. なぜかというと, 噂で「めんどくさい」と聞いてたので, 諦めてたのである. しかし, どう考えてもあの巨大なデスクトップと同じ内容プラス, キーボードと トラックボールが厚さ 17mm の匡体に収まっているのは, なっとくいかんからの う. 分解じゃ分解.

キーボードを外すと, 基板が現れる. マザーボードに相当するものは, ちょうどキーボードと同じ大きさの基板だった. cirrus logic のチップセットで, フィルムモジュールの P5 が裏側ついている. キーボードの裏には放熱版があり, ネジでキーボードごと基板に固定される. 基板は裏も表もびっしりゲジゲジが付いているが, それ自体は普通のノートパソ コンと変わり無い. 思うに, このマシンが薄いのは, 余計なものを削ってうまく押し込めたからなの だ. でも, そのわりにはちゃんと pcカードは 2枚刺さるし(一時, これで IP masquerade でルータをやらせてた), ps/2 マイク, ヘッドフォン, 外部ビデオ 出力, シリアル, パラレル, IrDA と揃っているなあ. ドライブが一切無いだけ だよな.

蓋をあけたまま電源を投入し(良い子は真似しないで下さい), どこかおかしいところは無いか, 液晶ユニットへ伸びているフィルムコネクタを 中心にドライバなどで突ついて画面にノイズが入るかどうかチェックする. そもそも, フィルムコネクタ周りがおかしかったら, 俺の手には負えないのだが, それならそれで修理に出すふん切りもつくというものだ.

匡体がだいぶくたびれてきているので, ネジが緩みがちであり, ご多分にもれず, 内部のネジもあちこち緩いのを見付けたので締めといたが, 画面の乱れとはあんまり関係無さそうだった.

分解サイトの著者も, 「欲しいノートパソコンが無いので, しょうがなくずっと これを使っている」と書いていた. そりゃ誰しもそう思うよな. この優雅な造形と比較できる機種は, 未だに存在しない. 本体の緩んだネジを締め直したところ, 多少調子が良いようではある. まあ, 画面がたまにおかしい以外は, 本体の調子は非常に良い. 6/18 から, とりあえず今日で連続 3週間. 止まる気がしない. せっかく非常に調子良いから, なんか 2.2 にしたくないなあ.

gqmpeg

gqview と同じ作者の, gtk による mpg123 wrapper らしいが, 単なる wrapper を超え て, 非常によくできたプログラムとなっている. また, gmc と d+d できる. 起動もコンパイルにかかる時間も xmms よりも速い. また, こっちは mpg123 を直接叩き, オプション(たとえば, 出力バッファサイ ズとか)を指定できる. なかなか良い感じに仕上っている. 出力バッファサイズを十分でかく(数MB)とれば, 一端バッファリングしてしまえ ばまず滅多なことでは音は飛ばない. その一方で, バッファを確保するまでのシステム負荷がものすごく, また, その間はけっこう音が飛ぶ. もっとも, これは mpg123 を直接 shell か ら叩いても同じ事だが.

コンパイルに必要なものは,

わしの環境は, gtk+-1.2.3, imlib-1.9.4, mpg123-0.59q, OSS の sound blaster ドライバである. それにしても, gtk と imlib は最近の fancy desktop life には必須のライブラリとなって ますね.

ただ, 描画が遅い俺の環境では若干問題があり, 表示が更新される 1秒毎に妙なノイズが入る. イケイケのアホ音楽では 全然気にならないが, ジャズや マイケル・ナイマンではかなり気になる. したがって, 現時点では残念ながら xmms を置き換えるまでには至っていない. もっともこのノイズは, 純粋に描画からのもので, 窓が他の窓に隠れたり, アイコン化してしまうと, ノイズは全く発生しない. スクリーンショットを用意した. 普通に起動したときの画面と shade したときの画面. 気に入った人は, ぜひダウンロードして試 してみることをお勧めする. オリジナルサイトは こちら .

パッケージを展開したら, コンパイルは, サンプルの Makefile が付いていて, それがそのまま使える. 一般的には一言, "make" というだけで十分だ. gtk-config や imlib-config が path の通っているところにあれば, それで問題無いはずだ. zsh で make のターゲットを取得するならば, さらに問題無い. 嘘だとおもったら, gtk-config --libs とか gtk-config --cflags してみると 良い. これらの結果が Makefile でどう使われているかも, 注目に値する shell技の 一つだぞ. egcs ユーザは, 最適化オプションが気になるかも知れないが, そういう人は, 別途自分で CFLAGS をMakefile に書き足してくれ. どっちにせよ, 音楽を実際に再生するのはこいつではなくて mpg123 なので, そっちを良いバイナリにしとかないと, あんまり関係ないだろうけど.

コンパイルが終ったら, インストールしなくても, そこにできてる gqmpegを直接叩けば動作する. それで具合が良く気に入ったら, インストールは make install だが, gnome 使いの人には make gnome-install というのもあり, こっちはメニューやアイコンも段取りしてくれる.


(*)さらにいえば, ed(1) を自由に使え, grep(1) の正規表現をマニュアルなん か見ずにソラで書け, csh のヒストリを "!" で呼び出して使い, sendmail.cf をエディタでベタ書きする. なんか人間じゃなくなってきたな.